: 椅子
ちょっとクラッシックで、デコラティブな造りの一人用の椅子。最初に見た時は、単なるオブジェだと思った。それは、大きな書店のフロアにあった。
だが、ほどなくして、それがオブジェではないことに気がついた。
あ……、座ってる……。しかも、読んでる! 本を、椅子に座って……!
店内を歩いてまわると、そこここに、椅子が「設置」されていた。書籍棚を背にし、通路に向っている椅子は、お客様読書用椅子であったのだ。
と、気づいたそばから、店内の売り物の本を持った青年が、空いている椅子に座って本を開いた。
図書館? 感覚? っていうの? これ。
カルチャーショックとはこのことだ。本を売っている書店が、どうぞどうぞ、こころゆくまでお読み下さい、椅子もご用意しております、と大判振る舞いをする。そして、読むために書店を利用する客たち。
サービスとカルチャーのすき間に生まれた書店の椅子に、ぜひ機会を見つけて、座ってみたいと思うのであった。
@やまざき
