:: まさかの登場人物
いきなり私信。さんたこへ。
弟さんに宜しく伝えておいてくれ。
ご結婚おめでとうございま〜す!
と。
あ。
それから、「9月の25日前後に会おう」と言っておきながら、会っていない不義理なオレをどうか許してくれ。
さんたこ「マサキさんなら、なんでも許しちゃいますぅ〜! (>▽<)/」
おお、ありがとう!
近いうちに連絡するよ、もす!
以下本文。
携帯電話が鳴った。じいさんからだ。
何事か!? そう思いコールバックしてみると──。
出たのは、あやちゃん(うちの母親の妹で、じいさんの娘です。ええ)。
あやちゃん「ああ、マサヒロ?」
オレ「なんかあったの?」
あやちゃん「何もないよ。ごめんねェ(北訛り)。いや、いまさ……(以下、中略)」
つまりは。
じいさんがぜ〜んぜん使わない携帯のポイントがたまったから、携帯を買い替えに来たと。で、その出掛け先から間違えてオレの携帯を鳴らしてしまったと。まあそういう訳なンだが。
ひどいよ! 何かあったかと思って心配したのに……。
あやちゃん「とーさんがさ、せっかく携帯持たしてるのに全然使わないから、カメラ付き携帯にしたら喜んで使うンじゃないかと思ってさ」
じいさんはお猿さんかよ!
喜んでは使わないだろう。そう思ったのだが、あやちゃんに言えるはずもなく……。
オレ「ああ、そうなんだ」
とりあえず、相槌。ナイスマサキ。
あやちゃん「マサヒロ、携帯繋がるようになったの?」
オレ「替えたからね。今度のは、テレビ電話機能付きさ〜!」
今にして思えば、こんなこと言わなければよかった、と思う。いや、ホントに。
3時間後。
携帯が鳴ったので開いてみると、液晶には、
じいさんの名前でテレビ電話の着信表示が……。
んあ!
3秒驚いてから、電話を取ると──。
あやちゃんの顔がドアップで……。
あやちゃん「ああ、マサヒロか?」
オレ「……な、何?」
あやちゃん「ほら、とーさん。マサヒロの顔出てるぞ」
オレの話を聞け!
あやちゃん「(じいさんに)ちょっとでも持って話しなって」
携帯の画面に映るソファーに座ったじいさんの姿。
じいさん「オレはいいって」
照れがあって、出演したがらない様子がありあり。
オレはこの時思った。
じいさんがテレビ電話機能付き携帯を持たされる羽目になったのは、オレのせいなのか?
そして。
もしかしてオレは今、「いつも、一緒にいる感じ」──
FOMAのCM状態なのかァ?
でもま。
オレの場合は──オレの心の中は、CMのようなハートウォーミングな曲は流れていなかったンだが……。
携帯の液晶には、再びあやちゃんの顔がドアップに。
あやちゃん「ごめんねェ。とーさん出たがらないのさ」
分かってますよ、ええ。
あやちゃん「今、かーさんと代わるから、ちょっと待っててね。ほれ、かーさん」
何をやってるンだ、ウチの家族は。
ばあさん「マサヒロか」
出やがったよ、コイツ!
オレ「(液晶に映るばあさんに向かって)おい。なんで出るンだよ。まゆ毛くらいきちんと書け」
ばあさん「(オレの顔をしげしげと見ながら)マサヒロ……痩せたのか?」
コイツも、オレの話を聞いてくれない。
オレ「(呆れながら)痩せてないよ……」
ばーさん「……お前、姿勢悪いンじゃないか? 猫背になってるぞ」
ぷ。
テレビ電話で、ばあさんに説教されるとはなあ……。スッゲー現実。ハハハハ……。
ばーさん「お前なんだ、人を見下ろすように映って。首を長くするな」
長くなるかよ、首が!
オレ「こう持ってるとラクだから」
ばあさん「もっとなんとかならないのか?」
言われるがまま、携帯を持つ角度(映る角度)を変える、素敵なオレ。
オレ「これでいいか?」
ばあさん「あー、真っ直ぐだ真っ直ぐだ」
しらねーって、そんなこと!
結局。
こんな調子で部屋の中を説明することになり……
20分くらいテレビ電話で話してしまった。
ああ、何をやってるンだ、オレは。
じいさん、使わないンだろうなあ……。
電話を切った後、確信した。
いや〜、田舎モンって、楽しい生き物だねえ……。
ダハハハハ……。
オレにも、この人たちと同じ血が流れているのか……。
ああ、複雑。
